蓋をしていた感情(夜逃げのこと)
- Eri Nakagawa
- 2019年10月26日
- 読了時間: 2分
夜、猫(通称ニャン)がベランダに出たいというのでベランダでまったりしていたところ感情の波が押し寄せてきた。子どもの頃の記憶があとからあとからやってきて、涙が溢れてきて気づけばベランダで大泣きしていた。こんな感情がまだあったのか!と数年、気持ちが割と落ち着いていたのでこれにはびっくりした。
その数時間前に監督・脚本:是枝裕和氏の「海街diary」を観ていた。
三姉妹と腹違いの妹のそれぞれの両親へのわだかまり、葛藤が私の子ども時代を思い出させたらしい。それに追い打ちをかけるように、実家周辺の道路の冠水などをSNSで報告する友人たちの情報が耳にはいってきたせいもあるかもしれない。
あれは夜だった。
突然引越し(というと響きはいいがあれは夜逃げだった)をすると父が台所の窓をあけ、バタバタと荷造りをはじめたことで当時可愛がっていた猫(ニャオ)がどこかに姿を隠してしまった。真夜中に車で出発する最後の最後まで探したのだが姿がなく、結局その場に残してきてしまったという記憶。
ただ、私の夜逃げの記憶はそれだけ。
前後はすっかり途切れている。弟や母のこと、その時自分はどうだったかがすっかりぬけていて今でもわからない。
このささやかな記憶さえも蓋をし、思い出したのは数年前のことだ。
ニャン(現在の猫)を飼うようになり1年が経った頃「そういえば私猫を飼ったことがあった」と突然記憶が蘇った。
当時の猫の名前はニャオ。そして今飼っている猫はニャン(ややこしいなぁ)
子どもの頃からネーミングセンスが変わらないのか、それとも何か因縁があるのか。とさえ思ってしまう。
それはさておき、今回また新たなことがわかった(おいおい自分のことだぞ)
私は今でも猛烈に父と母に対して怒っている、そしていろんな感情が渦巻いているんだぞ!ということ。探し出せなかった、連れて行けなかったという後悔。あの後ニャオはどうなってしまっただろうという不安、そして悲しみが今なお私の心の奥底にあったのだ。
そうかーーーあの後、引越し先で長期にわたり家に篭っていた(引きこもり)のはこういう理由もあったからだった。ずいぶんと奥にしまっておいて蓋して鍵かけて思い出さないようにしてたんだ。
辛かったね。と、子どもの頃の自分を思う存分慰めた。
それからニャオ、ごめんね。
写真はニャン。ニャンはそんな私を遠くから見つめていた。
撮影は中村るりさん

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